公認心理師試験を振り返って―浮かび上がる問題と、教職の課題の共通点

teach dice ornament on table 公認心理師試験
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はじめに


去る8月26日、第5回公認心理師試験の結果発表がありました。幸いなことに合格をいただくことができましたが、合格点は135点と過去最低点で、合格率は48.3パーセントという混戦を極めた様相が見て取れました。

【令和4年8月26日14時】第5回公認心理師試験(令和4年7月17日実施)合格発表 | 講習・試験・登録 | 一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理師試験 (shinri-kenshu.jp)

受験された方々は、今回の結果に様々な感想を抱いたと思います。自分が公認心理師試験を受験するにあたって情報収集しながら印象に残ったのは、この公認心理師という資格のあり方でした。今回は公認心理師試験を受けて感じたことを、現在携わっている教育業との比較から考えていきます。 受験直後の感想はこちら→公認心理師試験が終わってみて、率直な感想。

公認心理師についてはこちら・・・
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教育関係の記事はこちら・・・
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子連れ旅はこちら・・・
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回り道体験談はこちら・・・
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Gルート受験者と、試験問題の現状

公認心理師試験の受験者区分は、2022年実施の第5回までは心理学を専門に学んだ人たちに向けた「ABCDEFルート」と、現在心理職に携わっている人向けの「Gルート」という区分がありました。その中で、いわゆる「心理を専門的に学んだわけではない、近接領域で勤務しているGルート受験者」のあり方が問われる場面がSNSを中心に見られました。

また、試験の内容や問題設定についても、しばしばそのあり方が議論されてきたようです。そのざっくりとした問題点はこちらが詳しいです。

14-3.【対談】何とかしようよ!公認心理師制度|臨床心理マガジンiNEXT|note

公認心理師の資格を小学校教員免許に置き換えて考えてみると

現行では、教員免許は学部を問わず、大学の教職課程を経て、教育実習を所定の時間数行った上で取得するのが一般的と世間的には思われています。したがって、教育学部でなくても免許は取得できます。その一方で、小学校の教員免許に関して言えば、教員資格認定試験という形で、所定の試験に合格することで二種ではありますが取得が可能です。
教員資格認定試験についてはこちら→大学時代に小学校教員資格認定試験に独学で合格した話

したがって、

大学で教職課程を履修し、教育実習を行って免許を取得する=ABCDEFルートでの取得

教員資格認定試験での教員免許取得=公認心理師試験Gルートでの取得

と考えることができます。

免許の差はあるのか

教員免許に関して言えば、短大卒で取得できる2種免許であろうと、修士卒である専修免許であろうと、教育学部出身者であろうとなかろうと、教壇に立てば同じ「教員」として同等の職責を負います。ちなみに私は小学校の教員免許を資格認定試験で取得した上に、教育学部出身でもありませんが、教育学を学んできた人たちと同じ仕事をしています。

あくまで個人の感想となってしまいますが、正直なところ、教育学を専門機関で学んでこなかったことへの後ろめたさは少しあります。その上、「自分は少数派だ」という思いも常にあります。なぜなら先人達が積み上げてきた「教育のあり方」というものの中心からではなく、その隣接領域から「教育分野」へ手をのばして突っ込んでいる自覚があるからです。しかし、教育学以外の観点から子供たちを捉えるメリットも感じる場面もあるのも事実です。
こんな状況ではありますが、教育学部出身者が多数を占める中で同じ業務に携わる以上、そのエッセンスを尊重する姿勢は持ち続けていくつもりです。

置かれている状況の共通点

心理業界では、心の病による休職者数は年々増加傾向にあり、その状況下で国家資格である公認心理師が誕生しました。この資格の受験では、第5回までは隣接領域まで門戸が開かれた、専門機関を通らなくても受験資格が得られるものとなりました。公認心理師とは | 一般財団法人 日本心理研修センター 公認心理師試験 (shinri-kenshu.jp)その結果、一部の臨床心理士の方達からは「心理業務は誰にでもできるものと勘違いされてしまう」「心理職の質の低下が危ぶまれる」という声が挙がっていました。

教育業界はどうでしょうか。現状、教員のブラック化が目に見える形で現れてきたこともあり、教員のなり手は減っており、教員免許所持者も減っています。現在文部科学省は、教職課程の簡略化を試みたり、臨時免許を積極的に発行したりして足りない人員を補おうとするという暴挙に出ています。教員の中からは「教育が誰にでもできると思われてしまうのではないか」「教員の質が今以上に下がったら、教育の質が低下してしまう」という声が挙がっています。実際、教員の質は今まで以上に玉石混淆となるでしょう。

この状況、似ているものを感じるのは私だけでしょうか。

おわりに どのように捉えていくか

心理であれ教育であれ、専門機関で学んで研鑽を積んできた人たちにとってみれば、隣接領域とはいえ、畑違いの人が自分の専門と同じ資格を取ることに大きな拒否感と危機感を抱くのは、仕方のないことなのかもしれません。むしろ、真の問題は資格取得者を増やせば万事解決と言わんばかりの制度のあり方と考えることができます。

大切なのは、専門で学んできた人たちの持っている知識やあり方を、新規で参入する異なるバックボーンの人たちも尊重し、ともに学び、実践していく姿勢なのではないでしょうか。

さいごまでおつきあいいただきありがとうございました。

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