思いやりの成長段階、セルマンの役割取得能力【公認心理師試験勉強】

crop unrecognizable man talking to female psychologist 公認心理師試験
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はじめに

今回はセルマンの役割取得能力についてです。小さな子どものお世話をしたり、低学年を担任したりしていると、子どもたちのトラブルのほとんどが、相手の感情を上手く把握できなかった結果起きていることが多いと感じませんか?
それは子どもたちの心理の発達の順番に関係があるかもしれません。今回の記事が、そんな子どもたちの心がどのように発達していくのかを知るきっかけになれれば嬉しく思います。

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セルマンの役割取得能力

セルマンが、子供たちが「思いやりの心」が発達していくにあたってどのようなプロセスを踏んでいるのかをまとめたものです。全部で5つのステップがあります。

0自己中心的役割取得(3~5歳)

自分の気持ちと相手の気持ちが融合化していて、自分の感情と相手の感情の区別ができていない状態です。赤ちゃんが、泣いている他の赤ちゃんを見ているとつられて泣き出す、いわゆる「つられ泣き」が代表例です。

1主観的役割取得(6~7歳)

他者の感情が自分とは違っていることは理解しているものの、その理解の仕方が自己中心的なものが多い状態です。たとえば、友達が持っていたおもちゃが欲しいので、とったら友達が怒ると分かっていても、自分の気持ちを優先して友達からおもちゃをとってしまう、と言った様子です。

2内省的役割取得(8~11歳)

自分の親しい仲の人であれば、かなり複雑な相手の気持ちを考えることができます。ちょうどギャングエイジの年頃なので、なんとなく納得できますね。この頃の子供たちは、同じグループの子ども同士で同じ感情を共有したり、仲間がどう思うかを延々と考えていたりします。違うグループの友達同士でトラブルになることが増えるのもこの時期ですね。

3相互役割取得(12~14歳)

少し離れた関係の友人の立場も理解できるようになります。中学生の仲良しグループの気持ちも理解できるし、普段あまり話さない友達や先輩、先生の気持ちも分かるようになります。中学生ぐらいにならないと理解が進まないと思うと、なかなか驚きがあります。

4象徴的相互交渉役割取得(15~18歳)

より対象が一般化され、様々な感情を理解することができます。思考が大人に近づいてきた証拠です。

参考

公益財団法人 日本教材文化研究財団|公益財団法人 日本教材文化研究財団|刊行物|研究紀要|第36号:特集 乳幼児期の探究I|思いやりのある子どもを育てる家庭力 (jfecr.or.jp)

95059355.pdf (core.ac.uk)

70372616.pdf (core.ac.uk)

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ミードの役割取得(ごっこ遊び)、クーリーの「鏡に映った自分」

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おわりに

これらのことを踏まえると、他人の気持ちを推し量れるようになる時期は、思っているよりもずっと成長しないと来ないことが分かるのではないでしょうか。

特筆すべきは内省的役割取得の時期です。小学3・4年生になると友人同士のトラブルが増えていきますが、これは子ども同士の「親密さ」の微妙な違い、簡単に言ってしまえば「仲良しの温度差」で相手の気持ちを理解できないことも遠因としてあるのではないでしょうか。

小学生くらいの対人トラブルに当たったときは、加害者側に「相手の気持ちを考えて」と言っても、当事者意識を持つことは難しいのが正直なところなのでしょうね。したがって、それを踏まえて理解してもらえるように対応していく必要があります。
ちなみに国語で物語文の授業をすると、「登場人物の気持ちを考えましょう」という文言が並びますが、この役割取得能力に基づいて発問を工夫すると、より実態にそぐった問いができそうですね。

さいごまでおつきあいいただきありがとうございました。

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